木造二階建ての解体費用補助金はいくら?自治体別上限額【2026年】
結論
解体費用の補助金は自治体経由の間接補助で、国の交付金は自治体の事業費の1/2をまかなう仕組みです。木造二階建て(延床100㎡)の試算では自治体により27.6万〜96万円の差が出ます。着工前に申請し、交付決定を受けてから着工する必要があります。
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解体費用の補助金は、国が個人に直接出すお金ではなく、自治体を通じて交付される仕組みです。上限額や対象要件は自治体ごとに異なるため、この記事では坪単価や総額の相場ではなく、制度の仕組みと自治体ごとの確認方法を中心にお伝えします。
この記事でわかること
- 国の補助金の仕組み(自治体経由という構造)
- 自分の自治体の補助上限額を確認する方法
- 着工前に申請しないと補助を受けられない手続きの順番
相続した実家の解体を考え始めても、「自治体によって条件が違う」と聞くと、自分の場合はどう調べればよいのか分からず戸惑うことがあります。この記事では、公的な一次情報だけをもとに、順を追って確認していきます。
解体費用の補助金は「自治体経由の間接補助」という仕組み
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国の交付金は自治体の事業費の1/2を補助し、個人への直接給付ではありません
解体費用の補助金は、国が財源を用意し、自治体が窓口となって住民に配る、いわば「二階建て」の仕組みです。国土交通省の資料によると、国は2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家問題に対応するための国の基本ルールを定めた法律です)を施行し、2023年に一部を改正しました。この法律にもとづく「空き家再生等推進事業」では、老朽化した空き家の除却(解体して取り壊すこと)にかかる自治体の事業費のうち、1/2を国が交付金でまかなう仕組みになっています。
ここで押さえておきたいのは、この1/2という補助率はあくまで自治体の事業費に対するものだという点です。読者が国から直接お金を受け取るわけではなく、実際にいくら補助されるかは、自治体ごとの条例や要綱によって決まります。
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査によると、2023年10月時点の全国の空き家数は899万5,200戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高を更新しました。このうち一戸建ては352万3,000戸にのぼります。相続した実家をどう扱うか悩む人が増えている背景には、こうした空き家の増加があります。
補足
「補助金」という言葉だけを見て自治体への確認を省略すると、対象外だったり、想定より少ない金額だったりすることがあります。
外壁塗装など解体以外の工事でも、自治体の助成金が使えるケースがあります。詳しくは外壁塗装で助成金・補助金は使える?【2026年】自治体制度の探し方と、着工前に確認する4つのことでも解説しています。
自分の自治体では、いくらまで補助が出るのか
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補助上限額・算定単価は自治体ごとに数倍から十数倍の差があります
編集部が複数の自治体公式サイトを確認したところ、解体費用の補助金は「定額の上限を設ける自治体」と「延床面積の㎡単価に上限を設ける自治体」に分かれており、同じ「補助金」という名称でも金額の決め方が異なることが分かりました。たとえば秋田市公式サイトによると上限は50万円、土佐市は上限100万円です。一方、東大阪市公式サイトによると耐震性が不足する木造住宅を対象に延床1㎡あたり7,000円、北九州市は住替え・建替えを前提とした木造住宅の除却補助で1㎡あたり34,100円(補助金一覧に載せた老朽空き家の除却補助とは別の制度)、生駒市は長屋・共同住宅で1㎡あたり39,900円を限度とする算定単価が示されています(生駒市の一戸建ては面積単価ではなく、補助対象経費の23.0%・上限50万円)。金額の決め方は自治体ごとに条例で定められており、これらは全国の一部の抽出例です。
こうした算定方式の違いに加え、対象要件にも自治体ごとの目安があります。ご自身の実家が対象になりやすいかどうか、次の点を目安として確認してみてください。
- 建築時期: 昭和56年5月31日以前に建築基準法第6条第1項の確認を受けて建築された住宅(いわゆる旧耐震基準)であること。日立市・伊勢崎市・北九州市などの公式サイトで、対象の目安として挙げられています
- 延べ床面積: 日立市の例では、旧耐震基準に加えて延べ床面積50㎡以上という要件も併記されています
これらは全国一律の基準ではなく自治体条例によって異なりますので、まずはご自身の自治体の窓口で確認することが必要です。
編集部が公式ページを確認できた10市の制度名・補助額・条件は自治体別 解体費用の補助金一覧(一次情報リンクつき)にまとめています。お住まいの自治体が載っていない場合も、確認すべき項目の参考にしてください。
木造二階建て(延床100㎡)で試算すると、いくら出るか
上の10市の計算式に、同じ家を当てはめて試算しました。前提は「木造二階建て・延床100㎡(約30坪)・解体工事費120万円(木造30坪の目安93〜132万円の範囲内)・各市の対象要件を満たし、工事費の全額が補助対象経費になる」です。実際の補助額は対象経費の範囲や審査で変わるので、目安として見てください。
| 市 | 計算 | 試算額 |
|---|---|---|
| 札幌市(通常型) | 120万円×1/3=40万円(標準除却費36,000円×100㎡×0.8=288万円より低い) | 40万円 |
| 秋田市 | 120万円×1/2=60万円 → 上限50万円 | 50万円 |
| 日立市 | 120万円×1/3 | 40万円 |
| 横浜市(昭和56年5月末以前) | 定額 | 50万円 |
| 名古屋市(評価75点以上) | 120万円×1/3 | 40万円 |
| 名古屋市(評価125点以上) | 120万円×2/3 | 80万円 |
| 静岡市(全部が母屋の場合) | 120万円×1/2 | 60万円 |
| 東大阪市(戸建て) | 100㎡×7,000円=70万円 → 上限50万円 | 50万円 |
| 生駒市(一戸建て) | 120万円×23.0% | 27.6万円(令和8年度は受付休止中) |
| 土佐市 | 120万円×0.8=96万円(限度額を国の令和8年度木造36,000円とした場合の36,000円×100㎡×0.8=288万円より低い) | 96万円 |
| 北九州市(重機解体) | 120万円(基準額15,000円×100㎡=150万円より低い)×1/3=40万円 → 上限30万円 | 30万円 |
同じ家でも、試算額は27.6万〜96万円と自治体で3倍以上の差があります。木造二階建てかどうかより、どの自治体か・建物の評価(耐震性や老朽度)がどう判定されるかで金額が決まります。計算式と上限は各市の公式ページ(一覧の出典リンク)で2026年9〜10月に確認したものです。
✍️ 編集部からの一言アドバイス
【結論】: 「補助金」という言葉だけで金額を比較せず、まず自分の自治体の算定方式を確認しましょう。
複数の自治体公式サイトを確認する中で編集部が繰り返し気づくのは、同じ「解体費用の補助金」という名称でも、定額の上限を設ける自治体と、延床面積の㎡単価に上限を設ける自治体があり、算定方式そのものが違うため単純な金額比較ができないという点です。まずは自分の自治体がどちらの方式を採っているかを、公式サイトや窓口で確認することが欠かせません。
解体費用そのものの相場については、家の解体費用の相場【2026年】木造・鉄骨・RC別の坪単価と、見積りで増える項目で詳しく解説しています。
着工前に確認・申請しないと、補助を受けられない
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交付決定前に着工すると補助対象外になるため、順番を守ることが必須です
解体費用の補助金は、着工前に自治体へ申請し、交付決定を受けてからでないと対象になりません。北九州市公式サイトによると、同市の「老朽空き家等除却促進事業」では、工事の契約・着工前に「判定依頼申出書」を提出し、対象と判定された場合にのみ補助金の交付申請に進むという順番が定められています。交付決定より前に工事の契約や着工をしてしまうと、その時点で補助の対象外になります。
手続きの様式や期間は自治体ごとに異なりますので、これは北九州市の一例としてご覧ください。共通して言えるのは、「まず窓口に相談してから動く」という順番を守ることが、補助を受けられるかどうかの分かれ目になるという点です。
注意
交付決定の通知を受け取る前に工事を契約・着工すると、多くの自治体で補助の対象外になります。まずは窓口への相談から始めましょう。
自治体の窓口に相談すると同時に、解体工事そのものの内容や費用感を確認しておきたい場合は、一括見積りで相談することもできます。
見積りを比較する前に、確認しておきたい項目
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石綿事前調査・分別解体の届出は見積り金額の差になりうる項目です
見積り金額の差は、坪単価だけでなく、解体工事にともなう調査・届出の項目によっても生まれます。環境省の報道発表によると、2022年4月から、建築物の解体・改修前に石綿(アスベスト)含有建材の有無を調べる事前調査の結果を、都道府県等と労働基準監督署へ報告することが義務化されました。この調査・報告にかかる費用が、見積りの項目として計上されている場合があります。
また、国土交通省の資料によると、建設リサイクル法により、延べ床面積80㎡以上の建築物の解体工事は、都道府県知事への事前届出(分別解体等の計画の届出)が義務づけられています。木造二階建ての住宅は延べ床面積が80㎡を超えることも多く、ご自身の実家が対象となるかどうかは、床面積を確認したうえで判断する必要があります。この届出を怠った場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となる旨が定められていますが、これは制度上の規定であり、通常は解体業者が届出の手続きを担うため、依頼先に届出状況を確認しておくと安心です。
ポイント
見積り書を受け取ったら、石綿事前調査費と分別解体の届出費用が項目として記載されているかを確認しましょう。
外壁や屋根など、家の他の部分のリフォームでも、古い住宅ならではの注意点があります。詳しくは古い家の外壁リフォーム費用相場【築30年目安】と坪数別の内訳でも解説しています。
よくある質問
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旧耐震基準や木造二階建て特有の条件を、限定つきで回答します
Q1. 昭和56年5月31日より前に建てた家でないと、補助金は使えませんか?
昭和56年5月31日以前の建築(旧耐震基準)を目安にする自治体が多いですが、全国一律の基準ではありません。日立市・伊勢崎市・北九州市などの例では、この築年が対象要件の目安とされています。要件は自治体条例で決まるため、窓口で個別に確認してください。
Q2. 木造二階建てだから、補助額が変わることはありますか?
構造・階数そのものに固有の全国統計はなく、延床面積や築年などの要件が自治体ごとに異なります。東大阪市・北九州市・生駒市(長屋・共同住宅)では、延床1㎡あたり7,000円〜39,900円という算定単価の例があります。延床100㎡・解体工事費120万円の木造二階建てで10市の計算式に当てはめると、試算額は27.6万〜96万円でした(上の試算表)。木造二階建てであること自体より、延床面積や耐震性が判定基準になることが多いようです。
Q3. 解体工事でも、訪問販売のトラブルは心配したほうがよいですか?
解体工事に限定した統計ではありませんが、点検商法の相談件数は近年増加しています。国民生活センターによると、点検商法の相談は2023年度12,550件、2024年度19,249件、2025年度19,696件です(2026年5月31日現在)。これは点検商法全体の統計であり、解体工事固有の数字ではありません。
まとめ
解体費用の補助金は、国ではなく自治体を通じて交付される仕組みで、上限額や算定方式は自治体ごとに異なります。自分の自治体でいくらまで補助されるかは、窓口や公式サイトで確認する必要があります。そして、交付決定を受ける前に着工してしまうと、補助の対象外になってしまいます。まずは自治体の窓口で対象要件を確認し、対象になりそうであれば、着工前に一括見積りも並行して検討するとよいでしょう。一括見積りの相談先は、着工前申請の項目でご紹介した窓口をご確認ください。
なお、補助金の金額・要件は自治体の条例改正により変更される場合があります。最新の内容は、自治体の窓口や公式サイトでご確認ください。

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