空き家の解体で固定資産税はいくら上がる?住宅用地特例「6分の1」の条件
結論
空き家を解体すると、住宅用地特例(課税標準1/6・1/3)が外れて固定資産税の負担が増える場合があります。固定資産税は毎年1月1日現在の状態で決まるため、解体日が直近の1月1日の前後どちらかで年度ごとの課税が変わります。
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住宅用地特例(課税標準1/6・1/3)は勧告で外れる場合があり、固定資産税は毎年1月1日現在の状態で決まります。総務省統計局の令和5年調査では空き家899万戸、空き家率13.8%でした。特定空家等に至る前でも、管理不全空家等への勧告で土地の軽減が外れる場合があります。
「特定空家に指定されると税金が上がる」と聞くと不安になりますが、確認するのは指定の有無だけではありません。制度の段階と、解体予定日が直近の1月1日の前後どちらになるかを分けて整理しましょう。
この記事では、次の3点を確認できます。
- 住宅用地特例が外れる条件
- 解体日と1月1日による年度ごとの課税の違い
- 解体後に必要な手続きと補助金の確認先
空き家を解体すると固定資産税が上がるのはなぜ?「住宅用地特例」の仕組み
🔖 このパートをまとめると!
住宅用地特例は土地の課税標準を軽くする制度で、条件を外れると負担が増える場合があります。
固定資産税には、家が建っている土地の税負担を軽くする仕組みがあります。制度名は「住宅用地特例」です。行政用語が続くと難しく感じるかもしれませんが、まずは土地に適用される軽減措置と捉えてください。
地方税法の条文(国土交通省掲載)によると、住宅用地特例では住宅1戸につき200㎡までの小規模住宅用地は固定資産税の課税標準が6分の1に、200㎡を超える一般住宅用地は3分の1に軽減されます。ここで軽くなるのは、税額そのものではなく、税額を計算する基準となる課税標準です。
特例は建物ではなく、住宅の敷地として使われている土地に適用されます。そのため、家を取り壊して更地になると、次の1月1日現在の状態によって住宅用地特例が外れ、土地の税負担が上がる場合があります。特定空家等や管理不全空家等への勧告を受けた土地も、別の条件で特例の対象から外れることがあります。
まず納税通知書の課税明細書で、敷地の面積と住宅用地特例の適用区分を確認してください。建物を残して修繕する場合の費用も比べたい方は、外壁塗装・屋根塗装の費用シミュレーターを参考にできます。
「特定空家等」と「管理不全空家等」の違い
🔖 このパートをまとめると!
特定空家等になる前でも、管理不全空家等への勧告で特例が外れる場合があります。
特定空家等まで進んでいなければ税金は変わらない、とは限りません。2023年12月13日施行の改正空家法で「管理不全空家等」が設けられ、より早い段階で市区町村の対応対象になることがあります。
行政用語が難しく感じられる場合は、「管理不全空家等は、放置すると特定空家等になるおそれがある段階」「特定空家等は、周辺に著しい影響が出るおそれがある段階」と整理してください。国土交通省の改正法資料、総務省の対応フロー、神戸市の解説をもとに、違いをまとめます。
| 比較項目 | 管理不全空家等 | 特定空家等 |
|---|---|---|
| 状態の目安 | 管理が不十分で、このまま放置すると特定空家等になるおそれがある | 放置すれば倒壊等の危険、衛生・景観上の問題、周辺の生活環境への支障が大きくなるおそれがある |
| 行政の対応 | 市区町村長が指導し、改善されない場合などに勧告することがある | 市区町村長が助言・指導を行い、勧告、命令等へ進むことがある |
| 住宅用地特例 | 勧告を受けた敷地は、特例の対象から外れる場合がある | 勧告を受けた敷地は、特例の対象から外れる場合がある |
| 制度の時期 | 改正空家法により2023年12月13日施行 | 改正前からある区分 |
特定空家等と管理不全空家等のどちらに当たるかという区分だけでなく、市区町村から勧告を受けたかが税の軽減に関わります。特定空家等になる前でも、管理不全空家等への指導後に勧告が出れば、住宅用地特例が外れる場合があります。
✍️ 編集部からの一言アドバイス
【結論】: 特定空家等の勧告を受けていない場合も、届いた通知に「管理不全空家等」や「勧告」と記載されているか確認してください。
地方税法の条文(国土交通省掲載)では、管理不全空家等についても、市区町村長から勧告を受けた敷地は特例の対象から外れると定められています。
空き家の状態と行政からの通知を照らし合わせ、区分や勧告の有無が分からない場合は、市区町村の空き家対策窓口に確認してください。
空き家はいつ解体すればいい?「賦課期日」で決まる年度の扱い
🔖 このパートをまとめると!
毎年1月1日の状態で税の年度扱いが決まり、家屋の滅失は現況で判断されます。
毎年1月1日時点の状態で、その年の税額を決める仕組みがあります。写真のシャッターを切るように、その日の状態を基準にします。この基準日を「賦課期日」と呼びます。
かすみがうら市の案内では、固定資産税は1月1日現在に存在する固定資産を対象とし、その年の4月から始まる年度分に課税すると説明しています。また、東大和市のFAQによると、家屋が取り壊された時期は登記の日付だけでなく、賦課期日の現況で判断されます。
たとえば、ある年の1月1日を基準にすると、解体が前年末までに完了していた場合と、1月2日以降に完了する場合で、4月からの年度の課税内容が変わることがあります。
| 1月1日時点の状態 | その年4月からの年度に考えられる扱い |
|---|---|
| 住宅としての家屋がすでに取り壊されている | 家屋分の課税がなくなり、土地は住宅用地特例の対象から外れる場合がある |
| 住宅としての家屋が残っている | 家屋分が課税され、土地は住宅用地特例の要件を満たせば適用される場合がある |
年の途中に取り壊した家屋は、その年度分の固定資産税が課され、翌年度から家屋分の課税がなくなることがあります。一方、家屋を解体した後の土地は、次の賦課期日に住宅の敷地でなくなっているため、住宅用地特例が外れる場合があります。なお、特定空家等または管理不全空家等として勧告を受けた土地は、解体予定日とは別に特例が外れることがあります。
[4][5]
解体時期を決める前に、次の項目を確認してください。
- 解体予定日ではなく、1月1日時点で家屋がどの状態になるか
- 市区町村から指導や勧告の通知を受けていないか
- 土地と家屋それぞれの課税明細書に記載された課税標準
- 補助金を検討している場合、申請が工事着手前に必要か
注意
1月1日の前後だけで「どちらが得」とは決められません。家屋分の課税がなくなる時期と、土地の住宅用地特例が外れる時期を合わせて、市区町村の税務担当課に確認してください。
解体予定日と直近の1月1日の前後関係を確認し、工事中の家屋の状態も自治体に伝えてください。
住宅用地特例が外れると固定資産税はどのくらい上がる?(計算の目安)
🔖 このパートをまとめると!
課税標準を単純比較すると約3〜6倍相当ですが、実際の税額とは異なります。
住宅用地特例が外れたときの倍率は、固定資産税の課税標準を比べる目安として考えてください。地方税法の条文(国土交通省掲載)では、小規模住宅用地の課税標準は6分の1、一般住宅用地は3分の1に軽減されます。
補足
軽減率から単純に逆算すると、特例が外れた後の課税標準は、小規模住宅用地で特例適用時の約6倍、一般住宅用地で約3倍相当です。これは国土交通省資料の軽減率から編集部が算出した参考値であり、政府資料が「税額が6倍・3倍になる」と直接明記した数値ではありません。
課税標準の倍率が、そのまま納税額の倍率になるとは限りません。実際の税額は土地の評価額や適用条件、自治体の税率などによって変わります。建物を解体した場合は家屋分の税額がなくなる一方、土地の課税標準が変わる場合があるため、土地と家屋を分けて見る必要があります。
✍️ 編集部からの一言アドバイス
【結論】: 「6倍」「3倍」という比率だけで、ご自身の税額を見積もらないようにしてください。納税通知書の土地の課税標準と家屋の税額を分けて確認しましょう。
地方税法の条文(国土交通省掲載)が定めているのは住宅用地特例による課税標準の軽減率です。倍率はその軽減率を単純に逆算した参考値です。
納税通知書の課税明細書で土地と家屋の欄を確認し、解体後の税額は市区町村の税務担当課に問い合わせてください。
固定資産税だけじゃない。都市計画税も同時に上がることがある
🔖 このパートをまとめると!
都市計画税が課される土地では、固定資産税と同じく住宅用地特例が関係します。
住宅用地特例は固定資産税だけでなく、対象地域では都市計画税にも適用される場合があります。東京都主税局の案内では、勧告を受けた空き家の敷地や、住宅の敷地でなくなった土地について、住宅用地特例の対象から外れる場合があると説明しています。
| 税目 | 小規模住宅用地の課税標準 | 一般住宅用地の課税標準 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 価格の1/6 | 価格の1/3 |
都市計画税にも同様の軽減措置がありますが、軽減される割合は固定資産税とは異なります。具体的な割合や、都市計画税が課される区域かどうかは自治体によって異なるため、納税通知書や市区町村の窓口で確認してください。
課税明細書で固定資産税と都市計画税を分けて確認し、どちらの特例が適用されているか市区町村に尋ねてください。
よくある質問
🔖 このパートをまとめると!
都市計画税、補助金の事前申請、取り壊し後の届出を確認しましょう。
都市計画税も住宅用地特例が外れますか?
都市計画税が課される地域では、都市計画税にも住宅用地特例があります。空き家への勧告や解体後の土地の状態によって、固定資産税とともに特例が外れる場合があります。実際の適用は土地の所在地を管轄する窓口に確認してください。東京都主税局の案内も参考になります。
解体の補助金はいつまでに申請すればいいですか?
自治体によって条件や期限が異なります。たとえば宇都宮市では、事前調査申請を含む手続きが設けられ、対象工事費等の3分の2、上限70万円の補助制度があります。工事の契約や着手前に、お住まいの市区町村へ対象条件と申請時期を確認してください。宇都宮市の補助金案内
申請時期や上限額などをもう少し調べたい方は、解体費用の補助金に関する記事も参考にしてください。自治体ごとの制度名・対象・申請時期は自治体別 解体補助金DBにまとめています。
家屋を取り壊した後に必要な手続きは何ですか?
家屋が登記済みか未登記かで手続きが異なる場合があります。かすみがうら市では、登記済み家屋は法務局で滅失登記を行い、未登記家屋は税務担当課へ届け出るよう案内しています。手続きの方法は自治体に確認してください。かすみがうら市の案内も参照できます。
まとめ:解体予定日と1月1日を確認してから判断する
住宅用地特例は、家が建つ土地の課税標準を軽くする制度です。特定空家等だけでなく、管理不全空家等への勧告でも特例が外れる場合があります。解体後の家屋と土地の税は、賦課期日である1月1日の状態が判断材料になります。
税額や補助金の条件は自治体により異なります。解体予定日、行政からの通知、土地と家屋の課税明細書をそろえ、市区町村の税務担当課に確認してください。
解体費用の相場や内訳は本記事では扱っていません。費用を調べる場合は、家の解体費用の相場や空き家の解体費用と税金・補助金の解説を参考にしてください。
制度と時期を確認した後に、実家の解体費用の金額感を把握したい場合は、一括見積りで複数の見積内容を比べる方法があります。

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