空き家は解体するべき?そのままにするデメリットと、判断の順番【2026年】
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解体するかどうかは、建物の状態・税の特例・売却の期限・解体の時期を順に確認して考えます。親の家を壊すことへの抵抗や、兄弟と話が止まる戸惑いは自然なことです。急いで決めず、まず次の点を整理しましょう。
- そのまま置くと起きること
- 更地化と放置で税の特例が外れる条件
- 売却時の控除期限と見積りの読み方
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空き家は今、どれくらい増えているのか
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空き家は900.2万戸で、空き家率は13.8%です。
総務省統計局によれば、2023年10月時点の空き家は9,002,000戸、空き家率は13.8%で、空き家数は過去最多、空き家率は過去最高でした。2018年と比べて、空き家は513,000戸増えています[1]。
賃貸・売却用や別荘などを除く「その他の空き家」は385.6万戸で、2018年から369,000戸増えました[3]。使い道が決まらないまま置かれやすい空き家を含む区分、というのは編集部の解釈です。相続した実家の状況を考える手がかりになります。
ただし、空き家のすべてが戸建てではありません。総務省統計局の集計では、一戸建ては3,523,000戸(39.1%)、共同住宅等は5,029,000戸(55.9%)で、共同住宅等が過半を占めています[2]。統計全体の増加だけを見て、個々の家の状態や対応を決めることはできません。数字は状況を位置づけるためのもので、急いで結論を出す理由にはなりません。
結論:解体の判断は「4つの軸」を順に見る
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解体判断は、建物・税・期限・実施時期の順に確認します。
費用を調べる前に、建物の状態、固定資産税の特例、売却時の控除期限、誰がいつ解体するかを順に確かめます。解体するか、そのまま管理するか、売却するかを考えるための確認表です。
| 軸 | 見る内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 建物の状態 | 倒壊・衛生・景観などの問題が生じていないか | 市区町村、建物の専門家 |
| 固定資産税の特例 | 住宅用地特例が外れる条件に当たっていないか | 市区町村の担当窓口 |
| 売却時の控除期限 | 3,000万円特別控除の期限と要件に関係するか | 国税庁、税理士 |
| 解体の実施者と時期 | 売主・買主のどちらが、いつ解体するか | 不動産の担当者、税理士 |
順番を逆にして解体費用だけを見ても、売却期限や税の条件を見落とすことがあります。表の確認先に状況を伝え、判断に必要な情報を集めてから、解体の見積りを比べてください。
費用の全体像も確認したい場合は、次に読む記事として空き家の解体費用はいくら?内訳と税金・補助金まで整理【2026年】を用意しています。
空き家をそのままにするデメリット:管理不全空家等と勧告
🔖 このパートをまとめると!
放置が進み勧告を受けると、税の特例が外れます。
「注意」から「警告」へ進む段階と考えると、制度の流れをつかみやすくなります。これは理解のためのたとえで、法律上の正式な呼び名ではありません。改正空家法は2023年12月13日に施行され、特定空家等になる手前の「管理不全空家等」が新しく位置づけられました[4]。
なお、この記事に何度か出てくる住宅用地特例とは、建物が建つ土地にかかる軽減の割引のことです。管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、この割引の対象から外れます[6]。
管理不全空家等とは何か
管理不全空家等とは、適切に管理されておらず、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれがある空き家です[4]。市区町村から勧告を受けると、敷地の住宅用地特例が外れます[6]。
特定空家等の4類型
国土交通省のガイドラインは、特定空家等の状態を次の4つに分けています[5]。
- そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
管理不全空家等や特定空家等かどうかは、市区町村が建物の状態を確認して判断します。空き家を所有しているだけで直ちに勧告されるという意味ではありません。
管理不全空家等 → 市区町村の勧告 → 住宅用地特例の対象外[4][6]
✍️ 編集部からの一言アドバイス
【結論】: 「更地にすると税が上がる」という心配だけで、建物の管理を後回しにしないでください。
地方税法の条文では、管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けた敷地は、住宅用地特例の対象から外れるとされています[6]。更地にする経路と、建物を残したまま勧告を受ける経路を分けて確認することが大切です。
更地にすると上がる?放置でも外れる?特例が外れる2つの経路
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特例が外れる経路には、更地化と勧告があります。
住宅用地特例は、建物が建つ土地にかかる軽減の割引です。地方税法によれば、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準が6分の1に、一般住宅用地(200㎡を超える部分)は3分の1に軽減されます[6]。
| 経路 | きっかけ | 特例の扱い | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 更地にする | 建物を取り壊し、住宅用地として使われなくなる | 条件によって対象外となることがある | 市区町村の税務担当 |
| 勧告を受ける | 管理不全空家等・特定空家等について市区町村から勧告を受ける | 勧告を受けた敷地は対象外となる | 市区町村の空き家対策・税務担当 |
「更地にすると税が上がる」という点だけを避けても、管理が不十分な状態が続き、勧告を受ければ特例が外れる場合があります。勧告の判断や税額の扱いは、市区町村に確認してください。土地の状況や条件によって扱いが変わるため、税額の増加を一律には示せません。
注意
固定資産税の課税標準の軽減割合は、税額そのものの増加割合ではありません。個別の税額は市区町村の税務担当に確認してください。
売るなら期限に注意:3,000万円特別控除と「翌年2月15日」
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控除期限は、相続後の譲渡期限と譲渡後の取壊し期限です。
国税庁によれば、相続した被相続人居住用の家屋や敷地等を一定の要件を満たして譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円を特別控除できる特例があります。譲渡期限の骨格は、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです[7]。
2024年1月以降に加わった取壊しの扱い
国土交通省によれば、2024年1月1日以降の譲渡では、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに家屋の耐震改修または取壊しを行った場合も、特例の対象に加わりました[8]。買主が譲渡後に取り壊す場合も検討材料になりますが、適用を断定できるものではありません。
相続開始 → 3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡
譲渡 → 翌年2月15日までに取壊し、または耐震改修
適否は個別判断(確認先)
特例には家屋や譲渡などの要件があり、期限に間に合えば適用されるとは限りません。建築時期や売却額などの詳細な要件は、この記事では扱いません。控除の適否や金額は、国税庁・市区町村・税理士に確認してください[7]。
たとえば、相続から数年が過ぎた実家を、売却前に解体するか、現状のまま売るかで迷うとします(読者の状況の例であり、実在の事例ではありません)。この場合、譲渡の予定日と、譲渡後に取り壊すときの翌年2月15日を並べて書き出すと、解体の実施者と時期を決める材料がそろいます。
補足
解体と売却の順番を決める前に、譲渡予定日と、譲渡後に取壊し・耐震改修を行う場合の期限を並べて確認しましょう。
補助金の条件を調べるときは、次に読む記事の解体費用の補助金はいくら?木造二階建ての自治体別上限額【2026年】も参考になります。
解体するなら:見積りの「行」の読み方
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見積りは総額より先に、4つの内訳を比べます。
解体費用は構造・面積・立地・残置物・アスベストの有無などで変わります。この記事では相場の数字を示しません。数字だけで決めず、見積りに含まれる工事範囲をそろえてから比較してください。
| 見積りの行 | 何が入るか | 確認する観点 |
|---|---|---|
| 建物本体 | 建物を取り壊す工事 | 対象の建物と工事範囲が明記されているか |
| 付帯物 | 塀・物置など建物以外の対象物 | どの付帯物が含まれるか、「一式」の中身は何か |
| 廃棄物処理 | 工事で出る廃棄物の処理 | 処理する物と、別途費用になる項目は何か |
| 諸経費 | 現場管理など工事に伴う費用 | 何を含むか説明があり、他の行と重複していないか |
この行を確認してください。総額だけを比べると、付帯物や廃棄物処理が別途扱いの見積りを見落とすことがあります。各社の見積りで「一式」の範囲と別途項目を確認してから、同じ条件で比べましょう。
✍️ 編集部からの一言アドバイス
【結論】: 総額の低さだけで1社に決めず、付帯物と廃棄物処理の行が同じ範囲を指しているかを先に確かめてください。
解体費用は構造・面積・立地・残置物・アスベストの有無で変わります。そのため、総額が近くても、含まれる工事範囲が違うことがあります。行ごとに並べれば、別途になっている項目を見つけやすくなります。
詳しい比較項目は解体工事の見積もりは内訳で確認する|追加料金が起きる理由と相見積もりの比較項目へ、見積りを取る業者の確認ポイントは解体業者の選び方【2026年】許可・登録の確認は見積り500万円が分かれ目へ進めます。迷っている段階でまず誰かに相談したい場合は、空き家・解体の相談窓口 都道府県別リンク集から公式の窓口を確認できます。
見積りを比べる前の選択肢とCTA
まず自治体に空き家の管理や税の扱いを、売却を考えている場合は税理士に控除の適否を確認してください。そのうえで解体すると決めた場合は、複数社の見積りを同じ項目ごとに比べます。
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依頼するかどうかは、見積りを見てから決めて構いません。
よくある質問
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税・期限・解体の実施者・補助金の要点を答えます。
特定空家等とは何ですか。管理不全空家等との違いは?
特定空家等は、倒壊・衛生・景観・周辺の生活環境に関わる問題がある状態として定められた空き家です。管理不全空家等は、放置すれば特定空家等になるおそれのある段階です[4][5]。
更地にすると固定資産税は上がりますか。
一律に上がるとは言えません。住宅用地特例の対象から外れる経路には、更地化と市区町村からの勧告があります。税額は土地や適用条件によって異なるため、市区町村に確認してください[6]。
3,000万円特別控除はいつまでに売ればよいですか。
譲渡期限の骨格は、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。ただし、期限内の譲渡だけで適用が決まるわけではありません。要件を国税庁または税理士に確認してください[7]。
解体は売主と買主のどちらが行うのがよいですか。
どちらがよいかは、売買条件や税の要件によって変わります。2024年1月以降の譲渡では、譲渡の翌年2月15日までの取壊しも対象に加わったため、契約前に税理士や不動産の担当者へ確認してください[8]。
解体の補助金はありますか。
自治体によって制度の条件が異なり、着工前の申請や予算上限が設けられている場合があります。工事を始める前に自治体へ確認してください。詳しくは解体費用の補助金はいくら?木造二階建ての自治体別上限額【2026年】をご覧ください。
まとめ:まず確認する順番
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建物・税・期限を確認してから、見積りを読みます。
空き家を解体するか、そのまま管理するか、売却するかは、建物の状態、固定資産税の特例、売却時の期限、解体の実施者と時期を順に確認して考えます。放置でも勧告を受ければ特例が外れる場合があり、更地化とは別の経路です。
まず市区町村に建物や税の扱いを確認し、売却を考えている場合は国税庁や税理士に控除の要件を確認してください。解体に進む場合は、見積りの建物本体・付帯物・廃棄物処理・諸経費を読み比べます。
本記事は2026年9月29日時点の公的資料に基づいています。個別の税務・法律上の判断を示すものではありません。控除・特例の適否や税額は、国税庁・市区町村・税理士にご確認ください。
この記事について
寸法係 メジャー(編集部)が、公的資料をもとに制度と判断の順番を整理しています。資格者による監修や個人の体験談は掲載していません。運営者は修繕ラボ編集部です。
参考文献
[1] 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」2024年
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
[2] 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果」2024年
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
[3] 総務省統計局「空き家等の住宅に関する主な指標の集計結果について」2024年
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/topics/topi861.htm
[4] 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」2023年
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
[5] 国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」2023年
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002019841.pdf
[6] 国土交通省掲載「地方税法(抄)第349条の3の2・第702条の3(住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の課税標準の特例)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002019832.pdf
[7] 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」2024年
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
[8] 国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」2024年
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html

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